解説
本州の特産種。世界中で本州だけに分布するチョウは,このギフチョウだけだ。かつては多摩丘陵,高尾山塊,丹沢山塊などに広く分布していた。今では関東地方で確実に自然発生しているのは神奈川県の石砂山周辺だけで,県指定の天然記念物として保護されている。しかし,そこには何者かによって他産地の個体が放たれた結果,もとからいる個体群との交雑が起こり,遺伝的に汚染されてしまったことがわかっている。新潟県などにはまだ沢山いて,種の存続がすぐに危ぶまれるようなチョウではない。吸蜜植物が開花し食草の新葉が出る春に合わせて成虫が羽化・産卵し,葉が硬くなり林冠が閉鎖する真夏が来る前に幼虫期を完了する。夏から翌春までの長い期間を蛹で過す。雑木林の季節変化にあわせた生活環を持った,スプリング・エフェメラル=春の儚い命。科学園では1970年前後に絶滅したと考えられる。
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ギフチョウ
Luehdorfia japonica Leech
スプリング・エフェメラル
成虫
成虫 成虫
成虫 成虫
成虫 成虫
成虫
幼虫
幼虫 幼虫
幼虫 幼虫
食草:カントウカンアオイ 食草:ランヨウアオイ
食草:フタバアオイ 生息地
キャッチフレーズ
分布 本州(秋田県以南)
年間の発生回数 春1化
食草等 カンアオイ類
成虫の出現時期 4月
越冬態
レッドリスト 絶滅危惧II類(VU)