ヒメギフチョウ
Luehdorfia puziloi (Erschoff)
解説
ギフチョウが本州の南半分に分布し,常緑のカンアオイ類を主な食草としているのに対して,ヒメギフチョウは本州の北半分と北海道に分布し,落葉のウスバサイシンやオクエゾサイシンを主な食草としている。“雨一番”は冬の終わり近くに,雪が混じらない雨が初めて降った日のこと。本格的な春までにはまだ間があるが,それは人間だけでなく,越冬しているチョウたちにも新しい季節の到来を間近に感じさせる雨に違いない。カラマツの疎林やミズナラなどの落葉広葉樹林にすむヒメギフチョウが羽化するのは,一年の半分を雪に閉ざされてきた北国の人々が待ちわびた季節だ。クマザサが「ウン!」といって積もった雪を持ち上げるようになると,今年ももうすぐその季節が廻ってくる。積雪の重みで地面にはりついたままの落ち葉をわって咲き出したカタクリやスミレ類の花に蜜を求め,短い春を精いっぱいに生きる。
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成虫
成虫 成虫
成虫 成虫
成虫 成虫
成虫
卵殻と若齢幼虫 若齢幼虫
幼虫 幼虫
幼虫食痕 食草:ウスバサイシン
生息地 生息地
キャッチフレーズ
北国の春
分布 北海道,本州(東北地方と関東・中部の一部)
年間の発生回数 春1化
食草等 ウスバサイシン
成虫の出現時期 4-6月
越冬態
レッドリスト 本州亜種/準絶滅危惧(NT)
北海道亜種/準絶滅危惧(NT)