解説 |
全国版レッドデータリストでは,2番目に危険度が高い絶滅危惧IB類にランクされている草原性のチョウ。生息地は局地的だが食草はどこにでもあるミツバツチグリやキジムシロなので,食草の分布が生息場所を制限している主要因ではない。採草地などとともに,森林の伐採跡地,スギなどの新植地にも多く生息している。1940~50年代のピーク時には,日本全体の2%にあたる70~80万ヘクタールの森林が毎年伐採され,その多くは新しい造林地となっていた。草原性の生き物が減少した背景には,経済価値を失って採草地などの手入れがなされなくなったことだけでなく,林業が衰退して森林が伐採されなくなったために,森林環境の中にできる草原が事実上消滅してしまったこともある。チャマダラセセリの春型と夏型は,かつては別種と考えられていた。 |
分布 | 北海道,本州(東北,関東・中部),四国 |
年間の発生回数 | 2化 |
食草等 | ミツバツチグリ・キジムシロなどのバラ科 |
成虫の出現時期 | 4-5月,7-8月 |
越冬態 | 蛹 |
レッドリスト | 絶滅危惧IB類(EN) |