解説 |
近縁種のミヤマカラスシジミとは,後翅裏面の白線の形が異なる。主要な食樹のハルニレは決してありふれた木ではないが,川沿いなどには比較的多いので,このチョウは山地だけでなく市街地に近い場所に生息していることもある。でも山地ではその好みゆえに,ダム開発で湖底に沈んだ生息地もある。成虫は白色の花を好んで訪れ,雄は昼間,食樹の枝上などで占有行動をとる。梅雨時の雨上がり,イボタノキやヒメジョオンで無心に吸蜜する時には,後翅裏面の肛角部(尾状突起の付け根付近)の橙色紋が花の白色に映えて,格別な美しさだ。本州では一般に個体数が多い種ではなく,多産地は限られる。時には,スモモなどのバラ科を食樹とすることもある。 |
分布 | 北海道,本州,四国,九州 |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | ハルニレ・オヒョウ |
成虫の出現時期 | 6-7月 |
越冬態 | 卵 |