解説 |
八ヶ岳や浅間山塊,南アルプスなど本州中部山地だけにすむ。清冽な水と大気が育んだ白い妖精は,梅雨明けの山麓を緩やかに飛んで,登山者の無事を祈るかのように見送る。成虫はウツギなどの花を訪れ,雄は湿地に群がって吸水することもある。北アルプスでは絶滅したと考えられている。多産地だった上高地の小梨平では,キャンプ場整備のために,とげのある食樹が伐り払われたことが絶滅の直接の原因だとされる。幼虫が集団で巣をつくる種には日本では本種とエゾシロチョウがいるが,チョウには珍しい性質である。シロチョウとしては特異な長い毛を備えた幼虫は,6月ごろになると巣から出て,様々な場所で蛹化する。いわゆる高山チョウの一種。 |
分布 | 関東・中部地方の山地 |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | ヒロハヘビノボラズ・メギ |
成虫の出現時期 | 7月 |
越冬態 | 幼虫 |
レッドリスト | 絶滅危惧II類(VU) |