解説 |
レッドデータリストに名を連ねている種には,以前から比較的まれだったものと,以前はありふれた普通種だったものの両者が存在する。本種はどこにでもいる種ではないが,産地では草むらにすむ特に変わりばえのしないチョウの一つだった。本州では人為的に維持された草原が主なすみかで,衰亡原因としては,多くのチョウと同様に農耕地の管理放棄によって田畑の周辺の遷移が進み,畔などに生える食草が減ったことが挙げられるだろう。農山村の自然はその土地の気候風土に合わせ,何千年もの長い間,人間が少しづつ手を加え,形を変えながら受け継がれてきたものだ。ヒョウモンチョウは,そんな景色の中を軽やかに飛んで各種の花を訪れる。 |
分布 | 北海道,本州(中部地方以北) |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | ワレモコウ・オニシモツケ |
成虫の出現時期 | 6-8月 |
越冬態 | 卵・幼虫 |
レッドリスト | 東北以北亜種(北海道・本州北部亜種)/準絶滅危惧(NT) 本州中部亜種/絶滅危惧II類(VU) |