解説 |
本州では比較的高標高地に分布しているが,越冬前後の成虫がまれに低地で採集されることがある。クジャクチョウのような赤や青の華やかな色合いではないが,黒色の地に黄色の縁どり,その内側に青色の小点列を配したバランスのとれた美しさは,タテハの中でも群を抜いている。他のタテハ類よりも羽化時期が遅く,晩夏から秋に見かける機会が多くなるが,自らの美しさと人気を知っているようで心憎い。花を訪れることはほとんどなく,樹液や汚物によく集まる。林道の地面や擁壁によく止まるが,人の気配にはきわめて敏感。越冬後,縁どりの黄色が色褪せて“白べり”になってしまった成虫が,河原の石の上などに陣取っている姿もよく見かける。 |
分布 | 北海道,本州 |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | ダケカンバ・ヤナギ類 |
成虫の出現時期 | 8-9月・越冬後の春 |
越冬態 | 成虫 |