解説 |
本州では主に中部地方の亜高山帯に分布するが,北海道では平地でも見られる。幼虫は中齢までは集団で生活するため,食草群落に近い山小屋の外壁などに,沢山の蛹がぶら下がっているのを見ることもある。幼虫観察のために,不用意に食草に触れることは禁物だ。イラクサの細かい刺に痛い目を見ることになる。成虫は高山のお花畑を飛ぶこともあるし,越冬後には日当たりの良い林道上で出くわすこともある。亜高山や高山にすむ種の多くには,長く厳しい冬を耐え忍ぶような適応をしているイメージがあるが,活発に飛びまわって花を訪れるコヒオドシの成虫からは,そんな様子はみじんも感じられない。本州で一般に高山チョウと呼ばれる9種のうち,卵が産まれた年内に成虫まで発育するのは本種だけ。訪れる高山の花の美しさに負けない艶やかさを持っている。 |
分布 | 北海道,本州(中部地方以北) |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | ホソバイラクサなどのイラクサ科 |
成虫の出現時期 | 7-8月・越冬後4-6月 |
越冬態 | 成虫 |