解説 |
秋型は夏型よりも翅が深く切れ込み,破れたようにすら見える。越冬後の個体は長生きで,子世代の夏型が出現するころまで生き残る。和名はCタテハ,英名はコンマ,どちらも裏面の模様に由来する。キタテハより寒冷地の種で,樹林的な環境にすむ。関東以南では通常は山地のチョウだが,キベリタテハと同じように平地で越冬後の個体が見つかることもある。ソバの花を訪れるチョウは多いが,秋のソバ畑で吸蜜しているシータテハの姿は山里によく似合う。このチョウの秋型を見たら,もう冬仕度の季節だ。小学校で習うモンシロチョウやアゲハの印象が強いためか,チョウは普通,蛹で越冬すると思っている人も多いようだ。しかし,日本のチョウでは幼虫越冬する種が半数近くを占め,卵と蛹での越冬は各々2割程度。成虫越冬は日本産全体では1割強だが,タテハ類ではその割合が高く,狭義のタテハチョウ科の3割近くが成虫越冬。 |
分布 | 北海道,本州,四国,九州 |
年間の発生回数 | 2化 |
食草等 | ハルニレ・エノキ |
成虫の出現時期 | 7-9月・越冬後4-5月 |
越冬態 | 成虫 |