解説
山地の明るい草原に多く,平地近くではまれになる。ノアザミなど様々な花を訪れる。一般の登山者が夏山で見かける機会が最も多いヒョウモンチョウは,この種かギンボシヒョウモンだろう。ウラギンヒョウモンの分布は,ギンボシヒョウモンよりもずっと広い。関東地方の低地では一時ほとんど見られなくなっていたが,近年各地で”復活”しているらしいことが報告されるようになってきた。夏を越した成虫は,枯れ草,コケ,土塊などに産卵する。大型ヒョウモンチョウ類の多くの種では,寒冷地では夏眠現象が見られなくなることが多い。雄では,前翅の翅脈の何本かの上に黒色の発香鱗条があるため,この部分が太く見える。太くなっている翅脈の位置や程度は,ヒョウモンチョウ類の種によって異なっている。ウラギンヒョウモンとして扱われてきた種には複数の種が含まれていることが近年確実視されるようになったが,今後の詳しい研究が待たれる。
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ウラギンヒョウモン
Fabriciana adippe (Denis & Schiffermüller)
キャッチフレーズ
高原の主役
分布 北海道,本州,四国,九州
年間の発生回数 夏1化
食草等 スミレ類
成虫の出現時期 5-6月・越夏後の秋
越冬態 卵・幼虫
成虫
成虫 成虫
成虫 食草:スミレ
食草:タチツボスミレ 生息地