解説 |
世界の熱帯・亜熱帯に広く分布し,日本では南西諸島に土着しているが,近縁種のスジグロカバマダラに比べると個体数は通常ずっと少ない。にもかかわらず,九州以北での発見例はスジグロカバマダラより多い。南西諸島では冬でも様々なステージが見られ,特定の越冬態を持たないと考えられる。関東地方などでも記録され,一時的に発生することもある。野生種のガガイモも食べるが,主要な食草はトウワタやフウセントウワタ。特に後者は庭先,畑,ビニールハウスなどで栽培され,生け花の花材としてよく利用される。静岡県西部では,近年は毎年発生していて,越冬している可能性も示唆されている。フウセントウワタは寒い土地では冬には枯れてしまうが本来は多年草で,条件が良ければ食草の葉は一年中存在する。成虫はゆるやかに飛んで,様々な花から吸蜜する。晩秋の陽だまりには,盛んに産卵する雌と,派手な色彩の幼虫がいた。彼らはこのまま異郷の地に定着するのだろうか。 |
分布 | 南西諸島(九州以北では迷チョウと考えられる) |
年間の発生回数 | 多化 |
食草等 | トウワタ・フウセントウワタ |
成虫の出現時期 | 夏〜秋 |
越冬態 | 不定 |