クロヒカゲモドキ
Lethe marginalis (Motschulsly)
解説
山梨県の日野春といえば,中年以上の関東の虫屋には懐かしい地名のはずだ。採集技術も未熟で目的のゼフィルスがさっぱり採れなかった時でも,夏の雑木林でクロヒカゲモドキは私たちを快く迎えてくれた。その日野春でも,本種をはじめとして多くのチョウが姿を消しつつあり,捕虫網を持った採集者もあまり見かけなくなった。時代が流れ,若い人に昆虫採集の趣味がなくなったことは寂しい。子供のころから自然と親しめる環境が身近になくなったことがその一因だとしたら,普通種でいいから生き物が沢山すめる場所を取り戻す努力をしなければならない。本州にすむクロヒカゲ属では,前翅裏面の3個の眼状紋(目玉模様)のうちの一番下が最大になるのが本種の特徴。クロヒカゲとナミヒカゲ(ヒカゲチョウ)では,一番上が最大。夕刻に活発になり,雄は枝先などに止まって,近づいた他個体を激しく追いかける。樹液や落果などに集まるが,花にはほとんど来ない。
キャッチフレーズ
前翅の目玉模様に特徴
成虫
成虫 成虫
成虫 成虫
成虫 食草:ススキ

生息地
分布 本州,四国,九州
年間の発生回数 夏1化
食草等 ススキなどのイネ科やカヤツリグサ科
成虫の出現時期 7-8月
越冬態 幼虫
レッドリスト 絶滅危惧IB類(EN)
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