解説 |
山あいの林道には,岩肌がむき出しになった崖が多く,その下の路上には転げ落ちた小石が散乱している。そんな,ちょっと危険な場所がすみかだ。食草の生える崖はコンクリートで固められてしまうことも多く,最近産地は減ってきた。飛び方は素早いわけではないし,花にも来るし,地面にも止まる。しかし長時間静止することはあまりない。小石を落としながらようやく這い登った崖で,足の置き場を決め,息を殺してカメラを近づける。足もとの砂が崩れて周囲の空気がほんの少し乱れた瞬間,彼女は手の届かない場所へと行ってしまった・・・。ジャノメチョウ類は,概して人の気配にはかなり敏感だ。雌の前翅端近くにははっきりとした白斑があり,和名の“ツマジロ”はこの特徴に基づくが,雄ではごく不明瞭にしか現れない。見間違うような種は日本にはいない。 |
分布 | 北海道,本州,四国 |
年間の発生回数 | 2化 |
食草等 | ヒメノガリヤスなどのイネ科 |
成虫の出現時期 | 6-7月,8-9月 |
越冬態 | 幼虫 |