

| 解説 |
| 針葉樹の植林には,通常はチョウの姿は少ない。しかし,ササを食草としている何種かのチョウでは,そのような環境でも多くの個体を見ることがある。クロヒカゲも,広葉樹林でもスギの植林でも,ササがあれば様々なタイプの森林に姿を見せる。九州などでは平地にも山地にもいるが,なぜか関東から近畿地方や四国の一部など,平地にはほとんど分布しない場所もある。広義のタテハチョウ科の仲間は前脚が退化していて,歩行には使われない。このため脚が4本(片側2本)しかないように見える。伊豆諸島の御蔵島に産するものは翅型や眼状紋(目玉模様)の形状などに特徴があり,本州~九州までのものとは別亜種とされる。眼状紋のリングが青く光り,暗い林の中で出会うこのチョウには,ちょっと妖しい美しさがある。科学園記録種。 |
| 分布 | 北海道,本州,四国,九州 |
| 年間の発生回数 | 多化 |
| 食草等 | スズタケ・アズマネザサなどのササ類30種以上 |
| 成虫の出現時期 | 5-10月 |
| 越冬態 | 幼虫 |