森林教育の活動は、森林などで体験の1つ1つの活動(アクティビティといいます)をつなげて、長期的な視野に立った体験活動プログラムとして実施することで、さらに効果を高めることが可能となります。
プログラムを作るには、
(1)ねらいを決める
(2)活動内容、場所、時期などの条件を考える
(3)活動全体の企画をする
という、プログラムデザインをすることが必要です。
(1)ねらい
森林での体験活動を通じた教育活動を行う場合、活動をなぜ行うのか、活動を通じて学習者に何を伝えるかといった目的の設定と明確化が大切です。例えば、自然や森林が好きな指導者が指導する場合、子ども達が自然が好きになることは当然だと考えるかもしれません。
しかし、学校教育活動で実施する場合、文部科学省の学習指導要領および学校の教育課程に則った指導計画とする必要があり、学校とねらいを共有化することが重要です。
(2)活動内容など
森林での活動の特徴は、多様な内容、目的が設定できることです。森林教育の内容には、生き物調査を含む自然観察などの「自然環境」、レクリエーションや自然体験活動などの「ふれあい」、林業体験活動やクラフトなどの「森林資源」、地域の文化や歴史にふれる「地域文化」があります。これらを組み合わせることで、多様な目的に対応したプログラムを組む事が可能です。
(3)全体の企画
1つ1つの活動(アクティビティ)を有機的につなげることで、より効果的なプログラムとすることができます。
ここでは、プログラムの事例として、森林体験活動を1年間を通じて実施した小学校5年生「総合的な学習の時間」での事例と、室内での木材学習プログラムの例をご紹介します。
※学校と森林の専門家が連携するポイントについては
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森林総合研究所 多摩森林科学園 森林環境教育担当